糸曽 啓雄氏 糸曽技研代表(広島市西区)

僕も「地球ひとり旅」をしたい  決してトラベルガイドには載っていない情景がつづられていた。時に悪戦苦闘しながら、その地にしっかり足を着け、五感を研ぎ澄まして周りから吸収する。日本人受けのツアーに入らず、英語しか通じないツアーに飛び込み、ツアーの仲間とふれあう。こんな旅が出来る人は、私の周りにはいない。  いくら多くの国や地域を旅しようとも、日本の団体ツアーでは、日本人の目で見ることしか出来ない。筆者は行く先々で見聞した光景を綴っているが、そこで生活する人々やツアーの仲間に対して、常に客観的に公平に見ている。あらゆる知識の裏付けによって、環境問題・経済問題に、さらりと問題提起し皮肉(irony)を入れて書いてある。これが実に的を得ていて痛快である。  私も、いくつになっても、チャレンジし、知識と知恵を吸収し、失敗をおそれず、淡々と実行してゆきたいと思っている。無謀と言われようとかまわない。私の手本がこの本には詰まっている。 た。    私は型にはまった画一的な行動が好きになれない。日本人は総じて現状に甘え、皆と同じ夢を持ち、ほぼ同じ行動をする。集団に頼り、危険は犯さない、つまり横並びが楽なのである。  僕は、リスクを覚悟の上で、いくつになってもチャレンジしたい。私の旅の形は、旅行会社のお仕着せツアーでは満足しない。とは言いながら、現在の総てを捨てて、新世界に飛び込むことは出来ない。はなはだ残念である。  筆者のように堪能な英語力はなくとも一人でどんどん動く、現地に入り込み、友情もはぐくむ。時間と金銭的な余裕と、何より筆者ほどの行動力がない。 日本人がいないところで語学留学、クルージング、一人で歩く異国の草原、そして自然を破壊し続ける、傲慢な人間を確認する旅、読者に代わって、そんな旅をしてくれた筆者にお礼を言いたい。  私の旅のスタイルを変えてくれる本書がいたく気に入った。