2009.9月中旬、関西空港から
Seattle(Tacoma)に飛び North Americaの
Washington State(ワシントン州),
Oregon State(オレゴン州)、と
California State(カリフォルニア州)の一部を車で巡る旅に出た。11日間で
2400kmを移動した。
Seattle City
ボーイング社の本拠地であり、ワシントン大学では優秀なコンピューター技術者を輩出していると・・。他にもシアトルは
マイクロソフト社・アマゾン社・スターバックス社の発祥の地でもあるらしい。
アメリカを代表するドライブコース101号線。
シアトルからカリフォルニアの
ロスアンゼルスまで、ダイナミックな太平洋のWest Courseを走った。いくつもPicture Spotに立ち寄りながら
Cresent City まで南下した。



景観はめまぐるしく変わる。深い湾に砂浜が見えたと思うと切り立った断崖に変わり、エゾ杉の林を抜けると、太平洋に大小の島々が現れる。景観の変化だけではない。遠くに薄黒い雲が見えたかと思うと、やがて濃い霧に包まれた。ライトを付け車の速度を落とす。数十分も走ると雲ひとつない青空にまぶしいほどの光が・・。
サングラスをかけていると、1時間後にはまたワイパーを忙しく動かすほどの
スコールがやってくるという具合だ。このコースは
MelbourneのGreat Ocean Roadにも似ているし、ところどころ、日本の山陰海岸のようにも・・・
The Pacific Ocean
太平洋の彼方から大波が押し寄せている。
海岸に白く砕け散る大波、waveの高さは数メートルはあるだろう。まるで台風の時のようだ、が風は心地よく快晴だ。大きな岩に打ち寄せる音はいつも同じではない。山国育ちの私は海へのあこがれは格別で・・。いつまで見ていても見飽きない。
なるほど・・水が早く動くときには白く見えるのだと・・滝がそうであるように。
ハノン湾(ベトナム)のような景色が現れた。海の中に大小の奇岩がにょきにょきと見え隠れしている。
カリフォルニア州とオレゴン州の州堺にはゲートがあって、なにがしかの質問を受ける。
。「プラント(植物類)を持っているか?」と聞かれたらしい。
カリフォルニア州へのゲート






Bridge(橋)
川や湾に架かるいくつもの橋を渡った。
どこも
ダークグリーンの鉄骨で囲われている。風除けのためだろう。私は
屋根つきの橋を探していたのだが・・。
いつか読んだ本「
マジソン郡の橋」は
アイオア州の田舎にあるローズマン・ブリッジという屋根付きの橋であった。「マジソン郡の橋」
は、無名の作家が書いた恋愛小説。
アメリカで450万部、日本で150万部が売れ話題になり、後に
クリントン・イーストウッド主演・監督で映画化されている。私も本を読み、映画を見ている。中央アメリカのアイオア州とは随分離れている、このあたりでスイス風の屋根付きの橋には出会うことはなかった。
コロンビアリバーに架かる橋 オレゴン州とワシントン州のボーダー




California State(カリフォルニア州)
Redwood National State Park
RedWood(アメリカ赤杉)はSequoia(セコイア)とも呼ばれる。
最長で2000年以上も樹齢を持ち、高さ120m・直径7mに達する地球上で最も高い木だ。
首が痛くなるほど上を向いても
てっぺんを見ることは出来ない。緯度、気候、標高などの条件から、レッドウッドは北カリフォルニアの海岸線沿いでしか生息できないとか。太平洋の影響で涼しくて湿気を含んだ空気が、乾燥した夏でも木々を潤している。公園の
広さ315平方km、1980年に世界自然遺産に指定され、国と州の公園として保存・管理されている。長寿の理由は厚い樹皮に多く含まれているタンニンが害虫から守るのだという。




この広大な赤杉の
原生林にトレイルウオーキング・ルートができている。がそのルートに入るには車で随分奥まで入ってからだ。所どころに、車が停車している辺りにトレイルロードの入口があるらしい。私も歩いて見た。どこまでも手つかずの原生林が
まっすぐに直立して生きている。倒れた古木から2世が逞しく育っていた。日本の屋久島にある、
樹零7000年の屋久杉には及ばないが、その広さと樹木の太さと高さには圧倒される。



University of Oregon
Eugene City
ここには一緒にドライブしている友人の友人、元University Of South Floridaの同僚(女性)が住んでいる。彼女も元Professor(教授)で現在74歳の退職者で、ここ
ユージーン(Eugene City)に住んで5年目。高台に建つ白亜の立派な家でのランチに招待された。
メキシコ風のスパイシーな冷スープをご馳走になる。白いパンタロンにパープルカラーのセーター、ブロンズの髪の美しいEurinaは、日本人の私を歓待してくれた。
食事の後、持ち合わせていた
折り紙(西陣織模)で「鶴」を折って差し上げたら、たいそうな喜び様で・・。
オレゴン大学リバーサイド
オレゴン大学キャンバス近くのリバーサイドの両側に数kmにも及ぶ
ウオーキング・ロードが整備されている。たくさんの人が思い思いにジョギングしたり歩いたりしていた。私も1時間半ほどウオーキングを楽しむ。オレゴン州の花「薔薇」が美しく香っていた。



復路
インサイドのハイウエーを北へ、海岸線とは違う景色のパノラマを眺めて
Seattleに向かう。
Mount Hood オレゴン富士
オレゴン州、ポートランドの南東80kmにあるMount Hoodは別の名をオレゴン富士と呼ぶ。標高3429mの成層火山(活火山)だ。この山の中腹にある
Limberline Lodgeに宿泊の予定だ。徐々に車が近づくと
Hood山は様々に形を変える。
明日、天気次第で登れるかもしれないと期待する。一昨年、アラスカCruiseのために
ポートランド経由でカナダの
バンクーバーに飛んだときにWindow seatから見えたのが確かこの山だった。1年後にその山に登ることになるとは思いもよらないこと。



9月中旬というのに駐車場に車が多い。
さすがに夜は寒い。皮のジャケットを羽織り、夕焼けの
Mt.Hoodをレンズの収めた。背後に
(TAKOMa富士)と呼ばれるレーニア山が・・


翌朝は晴天!ラッキー。
わずかな必需品を小さなリュックにつめて、ひとりで登山道を登り始めた。なぜか訳もなくうれしくて・・・。頂上まで行けるとは思わないが
氷河の傍までは登りたい。
ところが誰も登っていない。
ロッジを下に見ながら高度を上げる。
森林限界を越えたのだろう。樹木は生えていない。ゴロゴロとした火山岩と氷河の流れるカールがすぐ傍だ。
若もの数名がスノーボードをしていた。
3000mを越えているだろう。呼吸を整えて、ゆっくりゆっくり足を前に進める。ふと、数年前の
キリマンジャロ(5000m前で退却)を思い出していた。4000mを越えていたあの時も空気のありがたさを思い知った。ただ違うのは見下ろす下界が
アフリカのサバンナでなく、ここは
緑り豊かな大地だ。後ろを振り返る。雲の上に
「Tacoma富士」と言われるレーニア火山(4800)が見えた。そういえば北米には富士山に似た山が多いと気がつく。いずれも噴火して出来た山だからだろう。
山小屋まで登って氷河を歩いた。3200mまでは登れたのだろう。ようやく先に登っていた人と出会って記念写真を一枚。

この時期、どこの
スーパーマーケットにも大きな
パンプキンが並んでいる。来月末は
Halloween.




ロッジで待っている友人との約束の時間が迫っている。もう少しと・・心を残しながら下山した。
コロンビアリバーはオレゴン州とワシントン州のボーダーになっている。
リバーサイドに沿って
レールロードを貨車、コンテナが数km繋がって走っている。アイダホ州から特産のジャガイモや
鉱物が運ばれてくるという。太平洋側の港から日本へ船積みされるのだろうか。縦長の大きなアイダホ産の
ジャガイモは
マグドナルドのフライドポテトにぴったりとか。


From Oregon With Love「オレゴンから愛」というTVドラマの舞台がこのあたりらしい。
SEattl City に到着。
Ichiroが活躍するマリナーズの本拠地だ。
なんと広くて変化に富むNorth Americaだった。



縦横に走るアメリカの4車線、高速道路(ハイウェー)は
all freeway(無料)になっている。
ところどころに
Rest Areaがあるが日本のように食事が取れたり、土産ものを売ってはいない。トイレと
(Vending Machine)自動販売機が置いてあるのみ。
広大な土地を移動するのに列車も路線バスも無いに等しい。だからだろうか、
Rental Carの料金が一日3000円程度と安い。これは航空会社のmileの優遇が使える。私たちも
マツダ社の車を借りた。ホテルも日本の半値くらい。円高の今、私には実に割安な旅だった。
なんと大きく長い
トレーラーが実に多く走っている。アメリカの
食糧自給率は133%(1998)カナダ、フランスに次いで世界3位。こうした国内物流が車に頼らればならない現実では、温暖化対策には時間がかかるのではないだろうか。
列車を走らせる計画も進められていると聞いている。
イギリスや日本とはまた違った容貌を召せる
Wide & Broad,スケールの大きな国だ。