NZ ミルフォードトラック  トレッキング  その2

ミルフォードトラック・トレッキング  ニュージーランド南島 ‘05・12・13   (写真)世界一美しいハイキング道」と呼ばれ、多くのトレッカーの憧れの的となっている33マイル(54km)のコースのガイド付きツワーに参加した。参加国名はイギリス・オーストラリア・ニュージランド・日本の4カ国の参加者32名に訓練された男性2名、女性2名のガイドクルーが5日間、全行程をメンバーと行動を共にしてくれた。 <ガイドクルーの仕組み>ガイドは英語での説明になる。明るく陽気なガイド達は英語に不案内な人にもゼスチャーたっぷり、手・足・顔、全身を使って植物の効能や鳥類の習性や鳴声を説明してくれる。途中の休憩所では速く着いたガイドが暖かい飲み物を用意して待機してくれる。疲れた体に熱いティーやスープはありがたい。足の遅い人、早い人それぞれのパーティの状態はガイド同志で無線連絡しあいながら全員の安全が確認されていた。ロッジの夕食はユニフォームを変えガイド達がウエートレスに変身、ユーモアたっぷりに交流に余念がない。夕食後はスライドで翌日のコースを説明してくれる。この説明も冗句・ユーモアを随所に入れて解説してくれているらしい。英語圏のメンバーが大笑いするところで「一緒に笑えない」という不具合・・全くこれには苦笑するしかなく、事前に配られていた日本語の説明書に目を落とした。 54kmを4日間で歩くミルフォードトラック、ガイドつきトレッキングの人気は高くシーズン中は満席の予約と聞く。 トレッキング前日、クィーズタウンの現地旅行会社でツワー中の装備や携帯品について日本語の説明会があった。トレック中自分で持ち運ぶシーツ(封筒のような形につくられた人間が入って寝る袋のこと)や防水大型ビニール袋(雨でザックの中が濡れないように)の支給を受ける。その他ショップで虫除けスプレーを購入した。刺激臭がきついがブヨ(サンド・フライ)対策に常時携行して塗ることになる。 1日目=9:45分バスで2時間余、テ・アナウに向けて出発12:00到着後、ホテルのラウンジで昼食→全員で記念写真撮影後→バスでテ・アナウタウンズヘ→クルーズ船に乗船、テ・アナウ湖を横切り約2時間で、スタート地点のグレードワーフヘ・・・ いよいよ、ミルフォードトラックの始まり、初日はグレードハウス小屋までクリントン川沿いを約1kmほど軽い足慣らし。 グレードハウス到着後、周遊コース、ネィチャーウオークに出かける。フアンティール(尾がファンに似ている小鳥)グリーン・オーキット(写真)等をガイドに教えてもらう。 {この花の入り口にある舌のような部分に虫が止まると奥の契柱頭に向かってバネのように虫を弾き飛ばし虫が持ってきた花粉で受粉する蘭の一種} サン ド・フライが多い。音もなく忍び寄り「痛いっ」と思ってみると既に黒い米粒ほどの怪物が張り付いている。 最初の山小屋宿泊、グレードハウスはリッチで快適な山小屋である。一角に大きな掲示板が用意されていてここを訪ねた方の名刺やメッセージが処狭しと貼られている。日本人のも多い、隅っこに私のも一枚並べた。 19:00=夕食後、今回トレック行動を一緒にするメンバー全員がパーティ毎に英語で自己紹介、不慣れな日本人には添乗員がそれなりに世話をしてくれる。スライドでガイドの明日の説明、まだメンバーの緊張が取れない。女性ガイドkat嬢がパフォーマンスで和やかな雰囲気つくりに賢明・・。10:00消灯。濡れたもの・汚れたものは各自洗濯・乾燥室も完備されている。このお陰で最小限の荷物で歩けのはありがたい。 2日目=6;45分起床→8:45分、ボンボロナ小屋に向けて出発、本日の歩行距離16.3km・・所用8時間クリントン川にかかるつり橋を渡り、ぶなの森へコマドリ・オウギヒタキが美しい歌声で私たちを迎えてくれる。クィンティン小屋で休憩。 13:00=ヒレレ滝で昼食、ここでも先に着いたガイドが温かい飲み物のサービス。いたずらモノの鳥、ケアがつまみ食いにやってくる。要注意!ザックのファスナーも開いてしまうという兵。密集した林の中をクリントン大渓谷を見ながら歩く。急に視界が開けマッキンノン峠の雄大な景色が飛び込んできた。(写真) ピドゥンこを経てポンポロナ小屋に16:00到着。アフタヌーンティでリラックス・・明日に備える。いたずら者のケアに注意!屋外に登山靴など放置するとたちまち、ボロボロにされてしまう。 3日目=6:15分起床・・朝食の前に昼食のサンドイッチを各自作る。 7:45分、クィンティン小屋に向けて出発、この日の歩行距離14.9km。8時間いよいよコースのハイライト、マッキッンノン峠を越える日だ、セイント・クィンティン滝を過ぎたあたりから傾斜がきつくなり、コースもジクザクになる、岩場で道幅も狭い。 ミンタロ湖近くの小屋で休憩・・峠を超え10分ほど歩くと永いジグザクのコース・・何回ジクザクがあるか数える。長短併せて11回だった。 森林限界を過ぎたころから、エバーラスティングデイジーやマウンテンロック・デイジーの花々が出迎えてくれる。(写真) 傾斜もきつくなる、吐く息も荒く荷物も肩に喰いこむ、天候も雲行きが怪しい。歩き始めて3時間半。11:20=延々と続いたジクザクを登りきるとマッキンノンと峠に到着。(写真) 展望台から雪と氷河の山々の絶景が広がる。このルートを開拓したマッキンノンとミッチェルが眺めたであろう景色を容れて記念碑前で記念写真(写真)小屋はないが先発ガイド達が熱いミロを入れたポットを数個と紙コップを運び上げてくれていた。(写真)メンバーは感謝と感動で「美味しい」を連発!他国の方とも追い越したり、越されたりするうちに、仲良しになり、お互いに手や肩を叩きあい、最高地点到着の健闘を称える。Good walking!! 峠の頂上からマッキンノン小屋までは多くの山中湖がある。これまで歩いてきたU字谷が見渡せる。世界一美しい景色を堪能できるトイレで有名。昼食・・・ケアに注意。人に慣れていて直ぐ近くによってくる。日本のカラスぐらいのケアはキーィアと鋭い声で鳴く。 12:30=トラックは下りになり、時々傾斜が急になり岩場が多くなる。モレインクリークにかかるつり橋を渡ると再び樹林帯に入る。このあたりは道幅も狭く日本の山を歩いているかのようだ。クィンティン小屋に到着。15:30分 大きな荷物を小屋に残して、小屋から片道約2kmにあるサザーランド滝に向かう。 ニュージーランド最大、世界で5番目の落差を誇る。滝壺までの距離が580mもあり、3段に分かれている。暫くすすむと地響きに似た轟音が聞える。瀧の飛まつは200m離れた所からもそれと判る。もうカメラも出せない。途中で瀧の裏まで入った人でしょうか、裸で興じている外国人に出会った。いよいよその偉大な対象物を目にした。人の声も聞えない。(写真)岩伝いに滝の裏側へも行くことが出来らしい。みんなで吹き飛ばされないようにまとまって試みるが。まるでハリケーン並みの風力と水しぶき、体重の軽い日本人は吹き飛ばされそう、雨具は何の役にも立たない迫力満点だが足元の滑りやすい岩も危険だ。もう少しのところでリーダーが断念の指示、若くないシニアパーティには賢明な選択だったと思う。 {1880年、ドナルドサザーランドがアーサー谷で金鉱石を探していて偶然見つけたのがこの「サザーランド滝」だという。落差580メートル(世界で5番目)1885年この滝を見るために整備されたのがフイヨルドランド国立公園である。} 第4日目=6.15分起床。最終日 今日の歩行距離21.8km、所用8時間。朝食前に今日も昼食のサンドウイッチを各自で作る。食材料は豊富に用意されている。ラッピングも簡単だ。果物・キャンディも食べ放題とは云っても今日は21km、少しでも荷物は軽くしたい。水は瀧の水でも流れる川の水でも飲めるから少なくていい。 動物がいないから、氷河の水も、流れ落ちる瀧の水も汚染されることはなく、天然の飲料水、世界中でここだけかも知れない。 7:00朝食、7:30分出発。(写真) 比較的平坦な道が多い、つり橋をたくさん渡る。1時間でダンブリン小屋に到着。最も雨の多い地域に入る。細い滝、太い滝、長短さまざまの滝や湖が樹木の間から楽しませてくれる。緑のうっそうと繁った道をボートシェット小屋まで歩く。ここで先着ガイドがモーニングティのサービス。アーサー谷の吊橋を渡り、少し下るともっとも美しいといわれるマッカイの瀧が待っていた。水量充分。 「ミルフォードトラックは雨が降った方がいい」と云う人がいたがその意味が腑に落ちた。 ベルロック=不思議なドーム型の巨岩の中に潜ってみた。中で人間が立てる。英国ドクターファミリーがとっさに貸してくれたヘッドランプを持って中に入り異様な岩の内部をカメラに残す。突然、ルートに飛べない鳥ウェカが現れた。(写真)ガイドがジーッと道をはずれるまで待っている。「目がよく見えないのだ」と説明する若い女性ガイドの慈愛に満ちた目としぐさが印象に残る。この国の国鳥であるキーウィバードやタカヘも飛べない鳥として保護されている。昔、天敵がいなくて飛ぶ必要がなかったから飛べなくなった。その後英国からウサギ・ボッサム・テン(イタチ)などが持ち込まれ絶滅に瀕したこともあるが、現在はDOCがワナを仕掛け、ねずみやいたちの退治を進めている。その罠のチェックもツワーガイド担っている。 ジャイアントゲート瀧の広場で昼食休憩。アダ湖の脇を通過・・ゴールが近い。このあたりはコケと羊歯類が多く花は見られない。いよいよサンドフライ・ポイントヘ。54km終点、予定より少し早くFinish   bannzai! 宝物の我が脚に感謝! 折りよく待っていた船で15分のミニクルーズ、マイタービークロッジに到着・・・ここはロッジはホテルと同じ、シャワーの後、先に届けておいた衣類に着替える。 食事時間までBarが開き、電子手帳持参で各国の方々と交流。食卓にはそれぞれのパーティにガイドが加わり賑やかに華やかに晩餐会が始まった。 出発前に写した記念写真に個人の名前が記された見開きB4版の「完歩証」をもらう。 みんなで健闘を祝す。(写真) 第5日目=最終日、各自、昼食のサンドイッチを手作りするが、今日は山を歩かない。 ミルフォードサウンド・ボートクルーズに出発。氷河によって両側の壁1000mが垂直に削り取られている。壮大な眺望が開く、昨夕、写真に収めたマイターピークやペンクロークピークの高峰が重なるように聳え立つ。青い湖に緑の山、岩肌に白い瀧と贅沢な展望である。スターリング滝146m、遊覧船は滝のましたに近づくと湯煙のようなしぶき航海士が案内する英語は全部は理解できないが、運転席を覗いてみた。何と一人で操舵管を握り双眼鏡で前方を見ながら、何分後に岩の上にアザラシが見えると固定マイクで放送しているのだ。おひげを蓄え風格のある熟年層と見た。気軽にカメラを許可してくれた。(写真)  5日前のテ・アナウで各国の皆さんとここでお別れ!good by. meet you agen! 印象に残ったガイドクルーの働き 全行程メンバーの安全と快適さを守るために緻密に陽気に奮闘してくれたガイドクルー陣。それぞれとニックネームで呼び合えるまでになっていた。これが草の根の国際親善そのものであろう。このシステムは実に機能的だと思った。多くのトレッカー達が「世界一美しい」というこのコースはガイドたちの個性的なキャラクターに負うところが大きいと思った。 各自のスピードで山小屋ロッジに到着すると洗濯、乾燥室も完備、5:00ぐらいからbarが開かれ自由に交流が出来る。食事はちょっとしたホテル並み、食材はヘリコプターで運ばれていた。汚物もこのヘリで山を降ろされ、排水は再生して循環されている。滝の水、流れる川の水がそのまま飲めるところは動物がすんでいないこの地域だけであろう。DOCの活動でねずみやいたちは駆除されている。 NZのトレッキングコースは他にもいくつか用意されているがもっとも人気のあるこのコースは1888年にルートが開拓された。

マウントクック&NZミルフォードトラック・トレッキング  その1

05・12・10から11日間 <厳しい入国審査>関空から直行便でクライストチャーチヘ、空港の入国審査が厳しい、テロ警戒でなく、食料・農産物検疫なのである。この国は他国とは異なった植物種が多く、生態系を乱す可能性のあるものの持込を窓際で停めている。持ち込み禁止品は食品・植物・貝類・水・土・毛皮・・と実に多岐に及ぶ。探知犬が入国者の間を係官と一緒に動き回っている。(写真①)犬に匂いをかぎ分けられたら手荷物は全部をその場で広げなければならない。税関でもスーツケースの中も開いて見せなければならない。登山靴の底・ストックに土がついていないか入念にチェックされる。 <マウントクック村へ>クライストチャーチから336K,専用車で6時間 南島の中央部に700kmにわたって縦断するサザンアルプス、その中央に位置するマウントクック(3754m)はNZの最高峰、富士山とほぼ同じ標高だが、緯度が高いため山頂は白い氷河に覆われて遠くからも雄姿は神々しい。 数時間走っても続く、防風林に囲まれた牧草地に草を食む羊の群れだけ・・。働く人物は見えない。それもそのはず国の創設は約160年前、日本の4分の3の国土に人口は10年間で50万人増えてまだ400万人の若い国、政党政治を掲げ規制緩和で効率経済体質を維持する先進国なのだ。GNIは480億ドル。特筆すべきは日本の環境庁にあたるDCOの予算の半分を自然保護に投入し独自の生態系を守る治安の良い国である。だからこそ世界各国から観光客&自然愛好家を魅きつけて止まない観光立国でもある。 英国から持ち込まれ今は駆除の対象になっているルピナスという外来種植物の花が道路端の湿地に咲いている。非常に繁殖力が強く在来種を駆逐してしまうらしい。色採り鮮やかで人目を引くだけに哀れである。(写真) <ミルキーブルーのプカキ湖>デカポ湖近く、右手にサザンアルプスの山並みが見えてきた。(写真) NZを歩いていると各地でミルキーブルーの氷河湖が見られる。ゆっくり流れる氷河が削り取った岩盤や砂が細かい粒子になって表面に浮き、これが太陽の光を反射してあのような不思議な色を醸し出すらしい。 <バウンタリー犬の像> ここを通過する観光客が必ず止まって一息入れるところである。近くの「善き羊飼いの教会」と共によく知られている。 開拓時代のフェンスない放牧地で境界線(boundary)を守り、一匹だけで小屋に寝泊りし、迷った羊を連れ戻したり、怪我をした羊の上に覆いかぶさって暖めた。人間さながらの働きが伝説になっている。(写真) <フッカーバレートラック> フッカー氷河の下流にあたる広い河原の中を歩き、上部氷河の末端まで登るコースである。 道中に広がる草原ではマウントクックリリーが待っていてくれた。春から夏(11月~1月)がシーズンなのだが今年は早めに開花したらしい。 純白の花は日本のシュウメイギクに似て、葉は丸く大きく艶があり肉厚でツワブキの葉に似ている。マウントクックの氷河湖畔にふさわしく気品高く美しい。(写真) この他にもフィヨルドランド・ロックディジー・オダマキ・キンポウゲナ・マーブルリーフなど白い花や黄色の花が登りを楽しませてくれる。 3時間ほど歩いてフッカー氷河に到着。晴れていればここからマウントクックの秀峰が望めるのであるが、生憎今日は小雨交じりで断念。一年間に150日間は雨が降ると聞けば、「これもあり・。」と潔い。 <氷河湖にプカプカ浮かぶ氷山> 山は眺めを断念した目に湖畔にプカプカ浮かぶ氷河の塊がとびこんできた。 水色でもない、青色でもない「氷河の色」にはどんな言葉がぴったりなのか。 シルキーブルー?深く神秘的だ。それもそのはず5百歳の氷河のカケラなのだから・・。 足元からそのカケラまで70mぐらいかしら、可能であればオンザロックを・・さしずめウィスキーはスコッチ、ロイヤル・ハウスホールドがいい。(写真) 翌日も視界が悪く、タスマン氷河遊飛行も飛ばない。 クインズタウンまで専用車で移動。出発して数分、突然、ガスが動き後方にマウントクックが姿を見せた。皆歓声をあげバスを停めてもらいカメラに納めた。(写真)